年末に入り世間では某茄子シーズンということで、それに便乗して今更ながらこちらを購入しました。
TOMIX 98819 しなの鉄道SR1系100番代のしなのサンライズ号セットです。
TOMIXはこれまでにしなの鉄道115系1000番代や169系を製品化しておりますが、その中にSR1系が加わったのは今年3月のこと。模型の世界にも、ようやくしな鉄の新車がやってきました*1
現車は169系が引退し、183/189系ナノ車が離脱したのち、115系1000代によって運転されていた、朝夕ライナー列車や、休日に運転される観光列車へ充当すべく、3本揃っていの一番に導入されたものです。
車内は大手私鉄で採用されている、いわゆるL/Cシートを装備しライナー列車などに相応しいアコモとしたほか、観光列車化前の115系1000代S8編成に装備されていた暫定的なもの*2や、JRからの直通車を除き、「しなの鉄道の車両」としては初めて恒常的に利用できるトイレが設置されるなど、全体的な快適性も向上しています。
全体的な印象ですが、特徴的な塗装もしっかりしており、細部の造形も申し分ないです。ただし乗務員扉の取手や乗務員ステップなどは未塗装なので、色差しをしてあげる必要があります。インレタも号車番号以外はひと通り貼り付けてみたのですが、透明ベースのせいで悪目立ちしてる感が否めないです…。ガレージメーカの製品に使えそうなものがあれば、貼り替えてあげたいと思います。
SR1系も他の信州エリアで活躍する(した)近郊形電車や急行形電車に準じ、制御電動車*3に貫通ホロが装着されるため、GreenMaxのリアルな造形のものを取り付けてみました。
なお今回のセットはS102編成のみ動力が組み込まれているため、他の編成は自走ができないのが残念なポイントです。KATOは1編成単位で発売したため、3本揃えても全ての編成に動力が組み込まれますが、TOMIXでは遊び方に制約が出てしまいます。実質的には平日朝夕のライナーとするしか遊べません。
TOMIXからはベースとなったE129系が発売されているため、クモハE129形の動力を移植する手もありますが、内装パーツが専用品であるため、一筋縄には行かないところが悩ましいです。
なお過去に発売された169系「しなのサンライズ号」セットでは、3本のうち2本に動力が付いていたため、日中の運用もある程度は再現できるようになっていました。また115系1000代S7+S15編成セットは別売の動力ユニットを購入すると、2本とも走らせられるようになるなど、制約なく遊べるのが嬉しいポイントでした。
側面はこんな感じです。
流れるラインは水色と緑色の組み合わせが、これまでの新長野色を引き継いでいるみたいでいいですね。実物に合わせて制御電動車の車端部の窓には、銀河モデルの優先席ステッカー*4を貼ってみました。
この製品もT車の床下機器を外すと、例の「隠しパーツ」が封入されているので、頑張って組み立ててみました。些細なパーツですが、取り付けてみるとカプラーの下の空間が埋まって、少し実感的になった気がします。
ケースラベルには鉄道むすめの上田れむのイラストが添えられており、TOMIX製品史上初の試みとして話題になりましたね。他に実際に配布されたパンフレットの縮小版まで付属しています。
付属の行先ステッカーですが、やはりライナーや特別快速のものが多く収録されています。上段全てがそれです。普通列車のものも収録されていますが、欲しいのがないときは種別と行先を切継ぎして貼れば再現できると思います。
というか通常の定期列車で設定のない、田中行という中途半端なものまで収録されているのはビックリです。後にも先にも臨時列車か、今年の8月に上田駅の電留線で生じた脱線事故に伴う臨時ダイヤなどでしか運転された実績がありません。どうせなら普通列車かワンマンの小諸行や軽井沢行などを収録して欲しかったです。これも(元)地元民的には、ちょっとした残念ポイントです。
さて今回のセットですが、商品名の通り朝夕のライナー運用に全振りしていて、それ以外の定期運用が蔑ろにされてしまった感が否めません…。実物におけるフレキシビリティな活躍を楽しみたい方は、KATO製品の方が良さげなのかもしれないですね。
それでも美しく再現された塗装や走行性能は申し分ない点であるため、朝夕のライナー運用専用として割り切って遊ぶ分にはこれでいいのかもしれません。
SR1系には普通用の200代と300代も存在し、特に300代は増備が継続して行われているため、新たな主力となる日も近そうです。個人的にTOMIXには、これらの製品化も期待していますが、果たしていつ出ることやら……(切実)
今回は以上です。
関連記事:所有するしなの鉄道の模型