撤去寸前の上野懸垂線

先日はたまたま上野恩賜公園内にある、東京都立上野恩賜動物園へ行ったので、都交上野懸垂線の現状を見てきました。

 

f:id:mc127_100:20240412232220j:image

 

こちらは上野動物園東園駅の様子です。

入口が塞がれている以外は、営業時代の様子を彷彿とさせる状態です。


f:id:mc127_100:20240412232207j:image

 

構内には40形が留置されています。

最後の運転から結構な時間が経過してるため、ホコリなどで汚損しているほか、構内に落ち葉が堆積していました。しかし当然のことですが、管理の行き届いた施設内にあるため、廃線にありがちな不届者による破壊行為などは全く見受けられません。清掃や整備さえすればまた走れそうな感じです。

既に正式な廃止手続を行ったほか、代替の交通手段の方式も内定したため、撤去も時間の問題であると思います。


f:id:mc127_100:20240412232211j:image

 

こちらは上野動物園西園駅です。

入口にイベントブースがあるため、閉鎖された感が見た目から伝わってきます。


f:id:mc127_100:20240412232216j:image

 

路線の終端には保守用のゴンドラが留置されていました。

上野式の懸垂モノレールの保守用車ということで、割とレアなのではないでしょうか。

 

ご存知の通り上野懸垂線は、当時の都交が都電の代替となり得る将来の交通手段の開発のための実験線として敷設された*1ため、地下鉄やバスへの転換が内定したところで使命を終えたも同然であったと思います。それが廃止撤回の要望が多かったことで存続が決定し、2019年の運休まで車両の代替を重ねながら長いこと稼働していました。

今度こそ使命を終えた都市交通の実験線。これで長きに渡る「実験」に終止符を打つことになりますが、これも都交の一員として記憶の片隅に留めておきたいですね。

*1:そのため路線に勾配やヘアピンカーブが存在している