信州のバスにまつわる移籍車のまとめ記事ですが、今回は県内にそれなりに散らばっている、元臨港バスこと川崎鶴見臨港バスの車両を紹介していきたいと思います。
信州のバスにおける臨港バスの車両は、長電バスとアルピコ交通長野支社(当時の川中島バス)へ移籍した、京急形ワンステップのブルーリボンHTがあまりにも有名でしょう。当時は東京都交通局(都交)が石原慎太郎元都知事の悪政の影響で、バス譲渡を停止した直後であり、老朽車の置き換えにそれなりの中古車を必要としていたこれらの事業者にとって、臨港バスから放出される京急形ワンステップのブルーリボンは、低床車が安価に入手できるだけに結構いい買い物だったのではないでしょうか。
老朽車の置き換えがひと段落した現在は少数の車両がごく稀に移籍する程度ですが、ひとまずこれまでに移籍した車両たちをまとめてみたいと思います。
なお臨港バスからの移籍車は、アルピコにおける都交や山陽バスの車両のように特定の事業者へ大量にまとまって移籍したという例がないため、県内全社を一纏めにしています。
※この記事の内容に関しまして、アルピコ交通株式会社、長電バス株式会社、千曲バス株式会社、川崎鶴見臨港バス株式会社などの現業機関へ問い合わせることを禁じます。※
掲載順は「バスジャパン・バンドブックシリーズ」に準じ、上から順に古い年式とします。
凡例…登録番号/年式/所属(長→長電,ア→アルピコ,千→千曲バス,上→上田バス)/臨港社番(調査中)。
U-LV324K(IKC)
長200か316/90/千/1A***
長200か633/92/ア(40633)/1A***
U-LV324K(FHI)
長200か712/93/千/1S***or1T***(推定)
長200か713/93/上/1S***or1T***(推定)
KL-LT233J2(J-bus)
松200か1139/04/ア(04466)/1S226
KK-LR233J1(J-bus)
松200か1146/04/ア(04515)/1S227
松200か1147/04/ア(04516)/1S228
日野
P-HT233BA(HINO)
長200か256/89/長/2H***
長200か334/89/長/2H***
U-HT2MLAA(HINO)
長200か430/91/長/2H***
長200か436/91/長/2H***
長200か437/91/長/2H***
長200か486/92/長/2H***
長200か489/92/長/2H***
長200か505/92/長/2H***
長200か510/92/長/2H***
長200か511/92/長/2H***
長200か566/91/ア(40566)/2H***
長200か567/91/ア(40567)/2H***
長200か577/91/ア(40577)/2H***
長200か578/91/ア(40578)/2H***
長200か594/92/長/2H***
長200か601/92/長/2H926
長200か634/93/ア(40634)/2H***
長200か639/93/ア(40639)/2H***
長200か640/93/ア(40640)/2H***
長200か705/93/長/2H958
KC-HT2MLCA(HINO)
長200か1004/97/長/2H081
KC-HU2MLCA(HINO)
長200か1435/98/長/2H096*1
以上で全てです。やはりU-規制の日野製ワンステップ車が長電バスとアルピコへ大量に移籍しているのが目立ちます。両社とも当時は長野市街地の路線の低床化に躍起になっていたという背景もあったのかなと思います*2。いすゞ車はアルピコと千曲バスへごく少数が移籍しているのみで、三菱ふそう車の移籍は現在に至るまでありません。
なお長電バスには多数が移籍したため、次のような車両のバリエーションがありました。
過去にpixivにも投稿しているため、こちらには再投稿という形になります。前面方向幕周りが自社発注車と同様に赤く塗られた個体や、バンパー四隅の塗装、方向幕などなど、挙げればキリがありません。現在はケイルックを経て移籍した1435号車のみ在籍していますが、最盛期はさまざまな個体差を持つ臨港車が長野駅前に出入りしていたので、見ていて面白かったです。これらは元々同じ営業所で同じ色に塗られて走っていたとは思えないですね…。
イラストは野川様のバスぬりえ(http://tabi.atz.jp/busnuri/index.html)の素材を使用させていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
機会があれば他の移籍車もまとめてみたいと思います。