伊豆急8000系、幻の50両体制を追う

突然ですが現在の伊豆急行の主力電車といえば、やはりこの8000系でしょう。

 

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伊豆急下田駅に停車する8000系

皆様がご存知の通り、この車両は東急8000系を譲受し改造した上で導入した車両で、2005年から2008年にかけて45両が入線しています。

さて伊豆急8000系といえば、よく書籍などに当初は50両の導入を計画していたのが、変更の影響で45両に減らされて、譲渡対象から漏れた車両は処分されたという話が記載されているのを見かけます。そして導入の途中から4+2の組成から3+3へと変更されており、それに伴い組み替えも発生しています。

ここで気になるのは、当初の50両体制にするはずだった際の導入予定車両。果たした処分された5両はどれなのか…。調べてみるとヒントが見えてきました。

 

 

こちらは調査結果から導き出した、当初の計画通りに増備された場合の編成表です。太文字は東急時代に更新工事を受けた車両です。

東急8000系の車歴を調査したところ、最後の譲渡車とクハ8001号が除籍される前の2008年5月に除籍されたものに、クハ8005号、クハ8006号、クハ8018号、デハ8102号、デハ8106号の5両の存在を確認しました。

伊豆急8000系種車はクハ8000形とデハ8100形の2形式であり、うち4連を組成するクハ8000形は同じ編成の対になるものが種車なのが圧倒的に多いのが特徴です。そのため実際は3連で出場したTA-8編成はクハ8018号を含めた4連で落成する予定であったことが考えられます。またクハ8005号とクハ8006号はドア誤作動を起こした当該編成ではあるものの、デハ8102号とデハ8106号同様に大井町線向け更新車であったことから、これも譲渡の対象であったことが考えられます。

以上のことから本来の計画で出揃うはずだった50両のうちの残り5両は、これらの車両であることが考えられます。譲渡車両の計画は事業者の都合によって変更される事ゆえに、我々が知りえる情報には限りがありますが、このように推測して考えていくのも楽しいですね。