京王れーるランドの保存車

先日は公式の意味深な投稿があったため、急遽京王れーるランドへ凸しました。

京王れーるランド動物園線の終点・多摩動物公園駅に隣接している展示施設で、2000年の開設当初はこぢんまりとしたものだったのが、2013年のリニューアルで実物の車両が搬入されて以来、規模も充実したものとなっています。

 

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館内に入ってすぐのところには、UDトラックス*1製の小型ワンステップバス、スペースランナーRNが展示されています。

この車両は京王とUDが共同開発したもので、車椅子で乗降ができる小型ワンステップバスとして、黎明期の低床バスの一つとして貴重な車両です。現在も京王や関東バスで使用されていた車両が、地方のバス事業者に譲渡されて活躍を続けているほか、トミーテックのバスコレことバスコレクションでも何度か模型化されています。

エンジンの点検蓋が透明なものへ交換されているため、中の様子がわかるようになっています。

 

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付近にはバスの部品やグッズを収めた展示ケースがありました。もちろん長野行特急バスのサボもあります。


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こちらはシミュレータや体験施設として使われている6000系20番代6022Fのクハ6772号車とクハ6722号車です。

この6000系20番代は朝ラッシュ時の混雑を捌くべく、伝説の5ドア車として登場したもので、6022Fは晩年に動物園線用ワンマン車「TAMA ZOO TRAIN」として活躍したものです。

収蔵されるにあたりカットモデルにされたうえ、車体のラッピングは剥がされています。またクハ6772号の屋根にはパンタが据え付けられており、デハであるかのような見た目となっています。

 

そして屋外展示場には京王資料館からの2400形、2000系、初代5000系のほか、3000系や6000系もあります。

 

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2400形デハ2410号車

京王電気軌道が400形として製造したもので、両運転台の小型車として登場しました。大東急への統合で2400形となり、戦後に1500Vへ昇圧されても現役でいたものです。

車体は片運転台に改造された当時のままとなっています。


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2000系デハ2015号車

「青んぼ」として親しまれていた2枚窓が特徴の車両で、一部は現在も銚子電気鉄道2000系として活躍しています。

保存されたのは主電動機の出力を向上させて経済性を重視した2010系と呼ばれるグループのものです。

カルダン駆動の新性能車ですが、車輪がスポーク車輪なのに過渡期の車両であることを感じます。


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初代5000系クハ5723号車

言わずと知れた京王の名車で、1964年に鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。

こちらも現在は富士山麓電鉄や高松琴平電気鉄道をはじめ、岳南電車一畑電車伊予鉄道などの地方私鉄で活躍しているのがお馴染みですね。

保存されているクハ5723号車は量産新製冷房車として1969年に登場したグループで、この位置からは見えないものの屋根には特徴的な分散クーラーが多数載せられています。


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3000系更新車クハ3719号車

「ステンプラ」こと3000系の更新車で、未更新車とは異なるパノラミックウィンドーの普通鋼のマスクです。こちらも1963年に鉄道友の会ローレル賞を受賞しています。

現在も上毛電気鉄道アルピコ交通をはじめ、岳南電車伊予鉄道で活躍しています。ただしアルピコ交通北陸鉄道に在籍しているのは、後継車両の導入で本格的な廃車が始まっているため、乗りに行くなら今のうちです。

なおこの車両は後期に製造された車両のため、多数が地方私鉄に譲渡された前期形とは、コルゲートの処理が異なります。


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6000系30番代デハ6438号車

京王初の20m車体とワンハンドルマスコンを持つ、界磁チョッパ制御車*2として登場したもので、独特の前面が特徴です。

過去には車体を短く切り継いで高松琴平電気鉄道へ譲渡する計画があったそうですが、諸般の事情により内定が取り消されてしまっています。

このデハ6438号車は増結用の2連として造られたもので、30番代であることから都営地下鉄10号新宿線への乗り入れに対応した車両です。

訪問時は公式SNS等で意味深な投稿があったからか、最後まで残った編成が付けていた「さよならヘッドマーク」が掲げられています。

 

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参考までに2014年5月現在に訪問した際の様子です。

屋外展示場に置かれている車両のうち、3000系と6000系は車内への立ち入りが出来ないようで、中は倉庫として使われているみたいです。

 

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こちらは京王グッズを販売している「京王れーるランドアネックス」に展示されている、7000系と8000系のカットモデルです。

7000系は廃車になったクハ7706号車、8000系は中間車へと改造されたクハ8809号車のものです。


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中に回ると車番プレートや銘板などが乗務員室の仕切に取り付けられています。

本館に設置されている6000系20番代6022Fは台枠が床とツライチになるように設置されていますが、こちらは台枠ごと床の上に上がった状態で置かれています。

 

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2階のプレイコーナーの奥には、ガラスケースに収められた部品やヘッドマークが多数並べられています。

折角の貴重な資料なので、もう少し見やすい場所での展示に期待したいです。よく見ると車内用の車番プレートの一部は、表裏が逆の状態で置かれています。

 

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こちらは新5000系モックアップです。

実物に用いられるFRP製の前面カバーがそのまま置かれており、これが実際の予備部品として使われるとのことです。

右奥のモニタには、ツンデレの女王もとい釘宮理恵女史が声を当てている「けいたくん」のアニメが放映されていました。

 

以下オマケ


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現在の動物園線専用車である7000系7801F「キッズパークたまどうとれいん」です。

車内にもラッピングシートを貼って装飾しているため、とても賑やかな感じです。運転台仕切りは「けいたくん」が貼られてた遮光幕が常に降りているため、前面展望はあまり期待できません…。

個人的に動物園線は複線化用地が並んでいるのが面白く感じるんですけどね。


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高幡不動駅のホームからは新5000系9000系という、現代の京王線を代表する車両が並んでいるのが見れました(黄色い線の内側からズームで撮影)。