走ルンですノート

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地下鉄博物館の保存車

最近リンゴの端末を片手に保存車巡りにハマっている割には、ここしばらく訪問していなかった地下鉄博物館へ行ってきたので、そこの保存車について取り上げたいと思います。

地下鉄博物館は東京地下鉄(東京メトロ)東西線葛西駅に隣接しているもので、規模は小さいながら行けば地下鉄についてがひと通り学べるものになっています。展示車両もカットモデルを合わせて4両のみとささやかなものになっています。

かつては「マッコウクジラ 」こと日比谷線3000系クモハ3001号と、東西線5000系クモハ5001号の展示も予定されていたものの、長野電鉄への譲渡車が事故で破損した影響で急遽クモハ3001号も譲渡されることが決定したことから、なかったことにされてしまいました。

その関係で割りを食らったクモハ5001号は解体処分されてしまったものの、現在は新木場CRにてクモハ5951号以下3両が末期の千代田線綾瀬分岐線で使用されていた姿で動態保存されています。

 

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入ってすぐの場所に置いてある300系モハ301号です。

1954年の丸ノ内線池袋仮駅~御茶ノ水間開業に合わせて導入された我国では初期のWNドライブ車で、当時のニューヨーク地下鉄の車両の機器をベースに三菱電機国産化したものを使用しています。現在も一部がアルゼンチンはブエノスアイレスの地下鉄・メトロビアスS.A.のB線で使用されています。

入っている方向幕は初期のものですが、車体や車内は末期の姿という、とても中途半端な状態で保存されています。

 

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おでこの方向幕の横に取り付けられたマーカーランプは、池袋方が青色*1御茶ノ水方が黄色*2に点灯するようになっているので、このことを知っていると現役時代とは逆向きに据え付けられていることがわかります。どうして逆向きに入れてしまったのか…地下鉄だけに考えると夜も眠れなくなりそうですw

 

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池袋方の乗務員室後ろの窓に現行の優先席ステッカーが貼られていました。

中の吊り革も黄色いものへ交換されているという、二重の中途半端さが悪目立ちしています。

 

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300系の隣にいるのは、我国初の地下鉄電車として名高い東京地下鐵道1000形です。2021年現在では2代目1000系が銀座線で走っているので、こちらは初代1000形ということになりますね。

地下鉄故に火災対策を念入りに、ということで全鋼製車体を採用していますが、ベルリンのUバーン(地下鉄)をモデルにした黄色い車体と相まって、同時期に造られた鋼製車体を持つ東急3450形や阪急600形、長電600形などと比べて柔らかい感じのデザインが素敵ですね。

こちらは登場時の姿に復元されて保存されているため、言われなければ気付かないような細部を除いて300系のような中途半端な見た目ではないのがうれしいですね。

 

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ホームから見るとこんな感じです。

仄暗い雰囲気が現役時代を彷彿とさせますね〜

かつては車内を見学することができたのですが、2017年に国の重要文化財に指定されてからは原則非公開となってしまいました。

木目調の室内が本当におしゃれで素敵だったので、公開時にまた見に行きたいものです。

 

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こちらは東京高速鐵道100形のカットモデルです。

東京高速鐵道は、現在の銀座線新橋~渋谷間と丸ノ内線赤坂見附~新宿間の計画線を持っていた会社ですが、帝都高速度交通営団法の公布に伴い東京地下鐵道と共に帝都高速度交通営団へと吸収されています。

この100形は東京地下鐵道の車両とは異なり、通常の吊り手の採用や板張りの床など独自色が強く、社長を務めていた五島慶太翁が系列の東京横浜電鉄*3の電車と共通の要素を取り入れていたとのことです。また1両あたりの出力が東京地下鐵道の車両より強力なのも特徴です。相互直通開始後は、わざと相手の路線をゆっくりと走って相手方の電気代を浪費するという嫌味なことをお互いにやり合っていたとの言い伝えもあります。

展示場所の関係からカットモデルですが、運転台から前方に置かれた台車を動かせたり、車内の車掌スイッチやブザーの取り扱いができたりと生きた教材として置かれています。

 

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前方に置かれた台車は銀座線1700形のものと言われています。

 

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その近くには当形式と300系の主電動機のカットモデルが置かれています。

 

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こちらは2016年に追加された銀座線01系クハ01-129号のカットモデルです。

当時引退が進んでいたことと、恐らくは鉄道友の会からローレル賞を受賞した車両であることから、場所の都合上カットモデルとしての保存が決まったものです。

なお、このクハ01-129号以下6連からなる01-129Fは、鉄道模型メーカーKATOこと関水金属から模型化された当該の編成になります。


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後ろには同じ編成を組んでいたクハ01-629号の「遺品」や、車内に取り付けられていたマップ式の光る路線図が展示されています。

この路線図は一時期新宿丸井において開催された「メトロの缶詰実店舗」にて、ひとつ2000円ほどで販売されていたことから、お持ちの方も結構いらっしゃるのではないでしょうか?

私こと走ルンですも左右1組を所有しておりまして、現在は部屋の片隅で静態保存していますが、いずれは動態にできるようしたいところです。

 

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館内には電車の他に人員輸送タイプの軌道モーターカーも保存されています。

トンネルの見回りや工事時の人員移動などで使用していたのでしょうか?

 

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こちらはシミュレータとして使われている6000系モックアップです。

この日は綾瀬行きを掲出していました。

モックアップゆえに実物ではありませんが、正面の貫通扉にSマークが残されているのがいいですね。

 

以上、地下鉄博物館の保存車ですが、東京地下鉄ではこれらの他に各車両基地において、以下の歴史的な車両を保存しています。

300系3両+部品取り1両*4

・3000系3001F*5

・5000系アルミ車5951F*6

6000系1次試作車6000-1F*7

6000系1次量産車6002F*8

7000系7001F

・01系試作車01-101F

・03系1次車03-101F,03-102F

このうち3000系は登場時の先頭車のみの状態、01系と03系は3連に短縮した上で保存されています。03系のうち01Fは純粋にトップナンバーであることからの保存と考えられますが、02Fは日比谷線中目黒駅脱線事故の当該編成*9であることから、事故の教材としての保存と考えられます。

また5000系や6000系は新木場CR敷地内に所在する訓練センターの訓練車として使用される機会があるとのことです。

これらの車両は03系を除いてイベントで公開されているのですが、やはり地下鉄博物館の車両と合わせてひとつの場所で、車両技術の発達が理解できる形での保存が望ましいように思えます。

狭い東京故にそのような展示施設の建設は困難でしょうけれども、やはりいずれは然るべき形で保存して欲しいなぁと思います。

*1:「池」袋→「池」の水→青色

*2:「御茶」ノ水→お茶の色→黄色

*3:現在の東急電鉄

*4:アルゼンチン・メトロビアスS.A.社から買い戻したもの

*5:長野電鉄より買い戻したもの

*6:末期の千代田線綾瀬分岐線仕様

*7:末期の千代田線綾瀬分岐線仕様

*8:末期の機器更新仕様

*9:残された車両が01Fは101-201-801なのに対し、02Fは102-702-802と102以外は事故で損傷した車両である