前回の記事にて、由比ヶ浜に置いてあるタンコロを別項で紹介すると書いたので、こちらで紹介したいと思います。
由比ヶ浜に保存されているのは、100形の中でも106形と呼ばれるタイプの車両で、同型車は106〜110の5両が在籍していました。
そもそも100形は4輪単車の置き換え用として登場した江ノ電初のボギー車で、他社からの譲受車を含めて17両が在籍していました。昭和30年代から連節車への改造や廃車が進み、最終的に105号、107号、108号、110号の4両が残りました。このうち105号と110号は元玉電80形の600形へ主電動機を供出するため早々引退したため、最後の最後まで残ったのは現在保存されている107号と108号だけでした。
107号は現在地に保存されるにあたり、床下機器の撤去や座席のベンチ化、集電装置のトロリーポール化などの整備を受けています。しかし場所が場所だけに劣化や破損が激しいもので、根本的に修理しないとヤバそうなレベルです…。
車内は幕板がかなり劣化していました…
運転台は圧力計を始めとする機器類が壊されたままになっているのが残念です…
続いてこちらは江ノ島駅付近の扇屋という、江ノ電もなかを製造・販売している和菓子屋の店頭にある600形651号車です。
元を辿れば玉電デハ80形104号車→2代目87号車で、デハ80形の中でも旧型車の車体更新グループとなります。玉川線廃止後も世田谷線に残ったものの、余剰になってしまったことからタンコロを廃止したい江ノ電へ譲渡されました。
導入当初は玉電時代の原型をほぼ留めていたものの、度重なる改造を経て現在のスタイルに落ち着いています。
前頭部のみの保存ですが、運転台機器は一切撤去されています。
なお扇屋店内には歴代車両の部品や写真なども展示されており、ちょっとした江ノ電の資料館みたいで面白かったです。江ノ電を訪れた際は江ノ電もなかの購入と併せて是非足を運んでみてください。
最後にこちらは江ノ島駅の待合室にある300形303号車です。
300形は江ノ電を代表する古い連節車…といえば大体の説明は不要かと思うので割愛します。
この303号車の入る303Fは、タンコロの103号車と104号車を種車に連節車化したもので、山梨県内で保存されている302Fとは種車が共通(タンコロの101〜104号車)です。
2000年代まで第一線で活躍していたものの寄る年波には勝てず2007年に引退し、一部の部品は新500形へ流用されました。
江ノ電の保存車は他にもいくつかあるので、どこかしらの機会に訪問してみたいと思います。