今回の切符これくしょんは「藤沢新駅高架乗り入れ記念乗車券」を紹介いたします。
江ノ電こと江ノ島電鉄の藤沢駅は長らく2面2線の地上駅だったのが、再開発に合わせて1974年に高架の2面1線の駅へと改築されると共に、駅ビルの供用も始まりました。
入れ物は白地に青色印刷のシンプルなもので、深夜の併用軌道で某自転車兄貴が並走したことで有名な300形305Fの若かりし頃の姿を描いたイラストがいい味を出しています。
イラストは開業した高架線を走るものと、駅ビルをバックにバスと並んでいるものがあります。
なお当時の社名は江ノ島電鉄ではなく、江ノ島鎌倉観光というもので、略称もEER*1ではなくEKS*2というものでした。
乗車券は5枚組で、タンコロこと100形の在籍車一覧や、移設前の鵠沼海岸付近の橋梁を走る305F、高架線を走る300形305Fと旧500形501F、そして駅ビルをバックにした300形306Fと日産ディーゼル4R型路線バスの写真が使われています。
紹介されているタンコロのうち、105号車は藤沢駅高架化に伴う600形*3の出力増強のために主電動機を供出されてしまったことで、一足先に休車→廃車となっています。ウィキペ先生によれば105号はこの乗車券が発券される1年前の1973年には休車となっていたようで、この写真はその前に撮られたものと思います。廃車体は長らく極楽寺車庫の片隅で、同様の理由*4で休車となった110号と共に置かれていたようです。
新たに生まれ変わった藤沢駅を基に、新しい時代へ進もうとする当時の江ノ電の雰囲気が感じられる記念乗車券ですね。
今回は以上です。