走ルンですノート

でんしゃ/バスをメインに適当に

古の鉄ピクから出てきた切り抜きより…その2

前回の記事では新幹線を走った阪急電車の記事を紹介した、鉄ピクの中から出てきた古新聞の切り抜き。今回は京阪電車淀屋橋延伸開業に関する記事を紹介したいと思います。

京阪電鉄京阪本線は開業時より大阪側は天満橋駅が起点であったものの、1963年に計画当初に乗り入れを目論んだ北浜を経由して淀屋橋までの地下新線を開業させました。これに伴い、新型特急車1900系*1が登場したり、「京阪特急の歌」も天満橋から淀屋橋へと歌詞が変更されたりしました。

今回の切り抜きも2つの新聞のものがあるので、それぞれ紹介したいと思います。

 

処女電車スタート 京阪淀屋橋乗入れ完工式

京阪電車淀屋橋地下延長線完工式は十五日朝九時半から新装の淀屋橋駅中二階コンコースで行われた。

天満宮寺井宮司がおはらいをしたあと、村岡京阪電鉄社長があいさつ、三百五十人の来賓を代表して、運輸、建設両大臣代理、小田原大阪商工会議所会頭らが祝辞をのべた。

ついで同駅三番ホームで発車式に移り、午前十一時すぎ村岡社長が造花で飾られた処女電車のテープにハサミを入れ、大阪府警音楽隊のかなでるマーチの中に、同電車は来賓を乗せてスタートした。

午後三時まで一般参会者のため試乗用電車が淀屋橋天満橋間を運転した。

同夜、旧天満橋駅入り口の寝屋川橋梁部で既設線と新線との切換え工事を終り、十六日初発から営業運転する。

 

完成した淀屋橋駅の発車式でテープを切る村岡京阪電鉄社長(15日午前11時15分写す)

 

???新聞 昭和38年4月

 

こちらは記事のみの切り抜きであること、どの新聞のものかメモもないことから詳細は不明です。こちらには開業式典の概要のみが記されています。

 

はなやかに完工式 ―京阪、淀屋橋地下線延長―

私鉄 都心乗り入れ第一号

喜び乗せ処女電車 ビジネス街と直結

私鉄の都心乗り入れ第一号として、京阪電鉄が建設を急いでいた淀屋橋地下延長工事の完工式が十五日午前九時三十分から、淀屋橋の同電鉄淀屋橋駅で行なわれた。開通は十六日朝の始発からで、これで京阪は沿線と大阪のビジネスセンターである北浜、船場淀屋橋を直結するとともに、地下鉄淀屋橋駅と連絡、京阪京橋駅、同天満橋駅淀屋橋一帯の混雑緩和に大きな役割りを果たすことになる。

日本一明るい地下駅

寺井種長天満宮宮司のおはらいのあと、村岡四郎社長のあいさつ、今田英作副社長の新線説明があり、来賓から私鉄地下乗り入れ第一号を祝することばがつぎつぎとおくられ。このあと同駅三番ホームで発車式が行なわれ、同十一時すぎ大阪府警音楽隊の演奏の演奏のうちに小田原大造大阪商工会議所会頭の孫娘、洋子ちゃん(一三)から村岡社長に花束が贈られ、同社長が処女電車にはられたテープにはさみをいれた。

つづいて、参列者が紅、白、金のテープと造花にかざられた電車に乗り込んだ。電車はすべるようにホームをはなれた。

なお営業開始は十六日からで、初発電車は守口を午前四時四十五分に発車、同五十五分淀屋橋駅につく。

淀屋橋乗り入れは明治四十三年同社開業以来の念願で、さる三十六年一月十日から二年三か月で宿願を達成した。総工費は六十八億円で天満橋から土佐堀川の下を淀屋橋まで約一・八キロだからレール一メートルあたりの費用はざっと三百七十万円、文字通り一万円札の上を走っているようなもの。このため工事もたいへんで、この工事に投入した労務者は七十万人、生コンクリートは八万九〇〇〇立方メートルでトラック二十万台分、ミキサーで三万台分、鋼材は二万トン。掘りだした土は四〇万立方メートルで新阪急ビルの三倍半というからすごい。

新線の駅は天満橋、北浜、淀屋橋の三駅で、いずれも総タイル張り。壁はモザイク、天井は吸音アルミニューム板をはったうえ天満橋で三千六百七十三本、北浜で二千二百八十七本、淀屋橋は四千九百五十本の蛍光灯をつけ、日本一明るい地下駅となっている。日本一といえば北浜―淀屋橋間七〇〇メートルの地下プロムナードもりっぱなもの。地下を二階にして地下二階に電車を、地下一階を雨の日など乗降客がぬれないようにと、同社でとくにつくったもので、地下へ十六か所の連絡口があり、地上交通ラッシュを緩和しようという配慮がなされている。

新線の利用者は北浜で四万、淀屋橋で八万と計十四万人が予想され、京阪では約五億円の増収とみているが、沿線の通勤者たちは「朝三十分寝坊できる」「雨の日、タクシーをひろう苦労がなくなった」と大喜び。大阪府警交通部でも、これで天満橋、京橋方面の交通の流れがスムーズになると期待している。

なお天満橋淀屋橋間の料金は二十円。

 

はなやかにかざられた都心乗り入れ一号電車は今やスタート直前

 

大阪新聞 昭和38年4月15日 夕刊A版

 

こちら大阪新聞の記事では、かなり詳細なことが書かれています。

また「一万円札の上を走っているようなもの」という表現に大阪らしさを感じますね。

いずれも書き起こしは原文ママです。

なおこれらの切り抜きの他、地下化間もない天満橋駅の切り抜きも一緒に挟まっていたので、最後にお目にかけたいと思います。

 

 

タイル張りの柱や壁に一昔前の地下鉄らしさを感じますね。

*1:後に一般車へ格下げ