かつてアルピコ交通には都営バスの中古車両が数多く在籍しており、特に長野→日野&ふそう、松本→いすゞ+富士といった具合に支社ごとに同一メーカーの車両がまとまって配属されていました。しかし2000年代に当時のISHR都知事が中古車の流通を全面停止させる*1という無能政策の影響で、それ以来1両として都営バスの中古車は転入することなく現在に至ります。
今回は長野支社管内において、最後まで在籍していたU-規制の都営中古車を、全車紹介したいと思います。
- いすゞ車
最後まで在籍したいすゞ車は全てキュービックで、元臨海営業所のX代車だそうです。2004年ごろに転入し、2010年代前半から2016年にかけて引退しています。
40416号車
この車両だけ、前面の「うしろのりあとばらい」サボがない状態でした。
40425号車
引退前に「信州バスまつり」においてお絵かきバスに選ばれた車両です。
40427号車
標準的な形態の元都営キュービックでした。
40481号車
こちらも標準的な元都営キュービックでした。
40482号車
長野で引退した後に、元都営エアロスターの後を追うかのように諏訪へと移籍しました。
風の噂では、その後ニュージーランドへ売却されたらしいです。
- 日野車
最後まで在籍した日野車は全てブルーリボンで、うち3両が一般車で、もう3両が都市新車(都07系用)でした。やはりこちらも全車X代車で、2004年に転入し、2010年代には全車が引退しています。
40474号車
この車両だけミラーステーの形状が、他の同型車2両と若干異なっていました。
またシートモケットも銀杏柄ではなく、パステルグリーンとパステルピンクという昔懐かしいものを維持していました。
40475号車
最後まで残った元都市新車で、最末期にはその車内設備を生かして臨時の白馬行特急バスにも充当されることがあったのだそうです。そのため、都営の都市新車が移籍先でも優等運用に充てられたという、恐らく前代未聞の事象が長野で起きてしまったということになるのかと思います。
40476号車
当時の川中島バスが80周年記念イベントの一環として、限定バスコレを発売した際に製品化された車両になります。
この40476号車と40475号車は、モケットが銀杏柄のものを維持していました。
40499号車
都心の営業所に配属されてから青梅へ飛ばされ、廃車後にはさらに信州のクソ田舎へ飛ばされてしまったという、流転の経緯の持ち主でした。
元一般車のブルーリボンにおいては、最後までアルピコカラーを維持していた車両になります。
40500号車
写真は最末期の様子で、若槻営業所において職員さんの許可を得て撮影したものになります。
2007年からアルピコ系列のスーパーから発生する天ぷら油の廃油を用いたBDF試験車として活躍し、「天ぷらバス」の愛称で親しまれていました。
40508号車
國學院大學の桃色のラッピングが特徴で、この車両がアルピコで最後に登録された都営中古車になります。
まさか長野の地で東京の大学の広告を纏って活躍するとは思ってもいなかったでしょうね…。
以上、最後まで在籍していた12両すべてを簡単に紹介しました。機会があれば元臨港ブルーリボンなども紹介したいと思います。
関連記事:アルピコ交通に在籍した歴代都営中古車の一覧です。併せてご覧いただけると幸いです。
*1:ただし、被災地等への譲渡車など例外あり