昨日はヒマに任せて都電の保存車を見れる範囲で見てきましたので、紹介したいと思います。
まずはこちらからです。
池之端児童遊園に保存されている、7500形更新車の7506号車です。
7500形は荒川線ワンマン化当初は車体の経年が浅いことから、ワンマン運転に合わせた改修だけ施した上で使用していたものの、冷房化を施行するにあたり新たな車体に載せ替えることになりました。
先に登場していた7000形更新車*1では、東急車輛と米国ボーイング・バートルが共同製造したStandard LRVに似た意匠*2だったのに対し、こちらは折妻の意匠が採用されました。
その後も荒川線で活躍していたものの、7000形のように方向幕のLED表示器化などの改造を含めた再更新されることはなく、2011年までに全廃となりました。
この車体で残るのはこの7506号車1両のみです。
なお当地はかつて都電の専用軌道と停留所があったところで、このような説明板も設置してあります。
続いて文京区の神明町電車庫跡公園に保存されている、6000形6063号車と乙1形乙2号車です。
現在は改修工事も仕上げを迎えており、柵の外の歩道や公共施設から辛うじて見学できます。走ルンですも柵の外から腕を伸ばして撮影してみました。
6000形は言わずと知れた戦後の都電を代表する車両です。1947年から総勢290両が製造され、一之江線(26系統)*3と杉並線(14系統)*4を除く各路線で活躍していました。この6063号車は荒川線に残った車両で、ワンマン化の前後で廃車となりました。
乙1形は砂利や電車の部品などを運ぶ、無蓋の電動貨車として造られた車両です。空気ブレーキを装備せず昔ながらのチェーンブレーキだったため、都電大規模撤去直前辺りから休車状態だったそうです。こちらも荒川線ワンマン化前後で廃車されたとのことです。
これら2両は当地で保存されるにあたり、幾度も修繕を繰り返し受けており、今回も特に乙2号車の劣化が著しかったことから、大規模な修繕作業か行われた模様です。それに合わせて立派な上家も新設され、風雨に晒されるのを防ぐとともに、それまでは何故か荷台に降ろされていた乙2号車のビューゲルも元の位置へと戻されています。
入口には停留所の標識を模した看板が設置されています。
改めた公開されたら再訪したいと思います。
続いて飛鳥山公園に保存されている6000形6080号車です。
荒川車庫で保存されている6086号車同様の「羽深式」と呼ばれる大型の方向幕を装備するのが特徴的な個体です。こちらもやはり荒川線ワンマン化前後まで活躍していたもので、廃車後に沿線の飛鳥山公園へと搬入された形となります。
公園の子供向け遊具広場に置いてあることから車体の劣化が著しく、側面はかなりボコボコです。また側窓はアルミサッシの枠だけが残されていて、ガラスは全て破られたままとなっています。
2000年代に入ってから塗装だけは直されているみたいですが、本格的に修繕して欲しいところです。
反対側から見るとこんな感じです。
車内には現役時代のプレートも一部残存しています。
説明板はこんな感じです。
最後に豊島区の南大塚公園に保存されている6000形6121号車です。
こちらは荒川車庫から錦糸堀車庫へと異動しており、江東区内の都電全廃(という愚策)に合わせて廃車された哀れな車両です。
設置当初は簡単な屋根が設けられていたようで、しばらくしてから7000形更新車や7500形ワンマン車のような黄色に青帯へと変更されたり、方向幕が埋められたりしています。
近年になって再塗装がされたので色は綺麗ですが、残念ながら方向幕は埋められたままです。
柱には「都電ものしり博物館」とあり、過去の情報によれば近所のたばこ屋に申し出れば中が見れるとのことですが、そのたばこ屋の場所がよくわからなかったのと、現在はそのような話を聞かないので、原則柵の中で非公開という形なのかと思います。
公道から見るとこんな感じです。
説明板は車両そのものと系統図が掲げられていました。