本日はヒマなのと夕方から横浜に行く用事があったので、その前に久しぶりに横浜市電保存館へと行ってみました。
この保存館は滝頭車庫の跡地*1に代表的な車両7両を集めて公開したのがはじまりで、何度かの改築やリニューアルを経て現在に至っております。
入館してすぐのところにいるのは、500形523号です。
横浜市電は神戸市電同様に割と遅くまで4輪単車を使用していたところで、この500形はそれら単車群を代表するものとして残されました。
この車両のみフードゴングが生きているので、ペダルを踏むとチンチン!と鳴らせます。
運転台仕切りのHポールには複製された路線図が掲示されています。
吊革は新品へと交換されているみたいです。
こちらは1000形1007号です。
横浜市電初のボギー車として登場し、中央に入口がある大型車として活躍しました。
こちらは1100形1104号です。
中型ボギー車として5両が製造されたもので、当初は車内にクロスシートを備えた「ロマンスカー」として活躍していたそうです。
ワンマン化改造後の姿での保存です。
こちらは1300形1311号車です。
終戦後の輸送力増強用として登場したもので、扉が前・中・後の3か所にある大型車です。
2013年のリニューアルに合わせて登場時の塗装に復元されています。
こちらは1600形1601号です。
横浜市電が最後に製造した形式で、製造は市電滝頭工場と、まさにこの地で造られました。
中扉に4枚折扉を採用した高性能車ですが、その構造がワンマン運転に適さないことや足回りの保守性が祟って早期に廃車されてしまいました。
こちらは1500形1510号です。
横浜市電版PCCカーとして登場し、同型車の1150形とともに末期の横浜市電を支えた車両です。
こちらも2013年のリニューアルで1150形に塗られていたベージュ系の塗装へ変更されています。
以上旅客車については台車の写真も一緒に載せていますが、軸箱が平軸受のものは蓋に車両形式の刻印があることに注目してみてください。
こちらは10号電動貨車です。
再来月まで花電車を模した状態での展示になるとのことで、とても派手な見た目になっています。
この電動貨車はさまざまな文献やサイトに、あたかもこの10号のみの在籍であるかのように書かれていますが、実際は同型車がいくつか在籍していたみたいで、YouTubeの横浜市電保存館公式チャンネルで公開されている動画にも登場します。
車内のプレートは遊び心あふれるデザインのものがありました。
電車の傍には主電動機やコンプレッサなどのカットモデルも展示されています。
恐らくは市電の教習所などで教材として用いられていたのでしょうか。
分岐器やレール運搬用の大八車、集電装置などの展示もあります。
かつての横浜駅東口駅舎に掲げられていた大時計も動体で保存されています。
電車の細かい部品類の展示も充実しています。
メーカーズプレートは車体と台車のものが一緒に並べられています。
屋外には車輪が置かれておりました。
以上、規模はささやかですが、市電を代表する車両を7両も丁寧に保存しているのは素晴らしいと思います。
機会があれば他の横浜市電の保存車も訪問してみようと思います。