《緊急予告!》連載企画・善光寺白馬電鉄小史を読む 開始にあたって

突然ですが皆様は「善光寺白馬電鉄」という、かつて長野県長野市で鉄道を営んでいた会社はご存知でしょうか…?

 

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現在はトラックによる貨物の運送業を生業としているこの会社は、本来は長野市白馬村を結ぶ電気鉄道を敷設せんということで成立したものです。しかし折からの不況や資金難などの影響により、実際は2両のガソリンカー*1を用いて南長野~裾花口間約7kmを運行するだけの小規模な鉄道になりました。

路線は起点から4駅目の信濃善光寺駅を過ぎると山間の集落を通り善光寺温泉へと至る路線で、わずかな利用客と湯治客が主だったからか、戦時中に国から不要不急線の烙印を押されてしまい、開業からわずか7年で運行を休止してしまいました。

その後は鉄道復活のためにさまざまな運動が行われたものの、裾花ダムの建設が引き金となる形で復活計画も断念されてしまいました。

 

そんな善光寺白馬電鉄ですが、一般に閲覧のできる鉄道に関する資料は多くなく、あったとしても不完全な感じが否めない記載のものが多く感じます。

2014年に新装版が出版された「信州の鉄道物語」においても、他のページとの兼ね合いからか15ページ程度のものとなっており、読んでいて物足りなさを感じました。また中学生向けの社会科資料集の「郷土長野市」に至っては1ページに簡潔にまとめられているだけであり、到底満足のいくのもではありませんでした。

 

そんなモヤモヤを抱えながらも、ある日何気なくメルカリを見ていると、「善光寺白馬電鉄小史」というタイトルの古びた緑色の紙ファイルの出品を発見しました。

売価は3万円強…しかし出品者の説明を読むと、77ページにわたって貴重な情報が網羅されているとのこと。コレは…と思いつつも、一度に3万円強を出す勇気のない走ルンですは、そのときはただ「いいね」をしただけで、踏ん切りがついたら買おう程度に考えていました。

 

そして時は流れ、何気なくヤフオクを見ていると、こちらにも「善光寺白馬電鉄小史」というタイトルの(ry

メルカリを開いて確認すると、どうやら出品者が改めてヤフオクへ出品し直したらしく、既に競りは穏やかに始まっていたばかり…ヤフオクならどうにか安く入手できそう…そう思ってウォッチリストに突っ込むと、終了の日までしばらく待つ事にしました。

 

やがてオークション終了の日となり、改めてヤフオクを開くと…なんと前まで穏やかだった競りがいきなり荒れているぞ…!ということに気付きました。

一気に1万円以上を突っ込んだ人がいるらしく、入札しては高値更新の通知が来るイタチごっこに…

あぁコレはやばいと思い、終了間際に2万円弱を突っ込んで様子を見ると……どうやら競っていた落札者が諦めたらしく、このたび無事に入札することができました。

 

こうした走ルンですの手元にやってくることが決まった「善光寺白馬電鉄小史」ですが、目次やヤフオクのサムネで公開されていたページを見ると、これまでどの本にも書いていなかった項目や写真が多々あることに気付きました。

先述の通り、善光寺白馬電鉄の歴史は闇の彼方に包まれていることがまだまだ少なからず存在し、その中には著者や関係者しか知り得ない事実もあるのだろう…そう思うと無闇にこの資料を死蔵させてるのは勿体無いと思うようになりました。

恐らく競っていた落札者も自己満足の資料や単なるコレクションとして手元に死蔵するつもりだったのだろうか…そう思うと、手にしたからには新しい事実の公表や正しい歴史の伝導をしなければならない…そう思うようになりました。

 

以上のような経緯から、このたびこの場を借りてインターネットで調べてもこの世に1冊しかないらしい「善光寺白馬電鉄小史」*2を、思い切って公開してみようかと思います。

賛否細々あるかと思いますが、この貴重な資料を歴史の彼方に埋もれさせるのは勿体ない…そんな気がしてなりません。また仮に走ルンですが死去してしまった場合、この貴重な資料が処分されてしまい無になってしまう可能性も否定はできません。そのためこのブログにさえ書いておけば、電子の海に記録が残るため、仮に原本が消失したとしても、はてなブログがサービス終了→消滅しない限りは残るでしょう…。

 

目安としては1回の記事に1項目、図や表はスキャンした上で公開したいと思います。

また単に載せるだけではつまらないので、「信州の鉄道物語」などと重ねながら、ちょいちょい解説を入れてやっていく予定です。

 

記事作成は現物が到着次第、手隙の時間を縫って行うつもりです。それまでは気楽にお待ちいただけたら…と思います。

 

願わくばこれから作成する記事を通じて、善光寺白馬電鉄のあゆみがいつまでも後世に伝えられるようになれば…と思います。

*1:ガソリン機関を用いた内燃動車

*2:調べてみるとヤフオクやメルカリに出品される以前に長野市は権堂商店街の古書店で売られていたらしく、それが第三者の手元を経由して走ルンですの元へ流れ着いたことになるらしい