長野電鉄車輛集

長野電鉄ではかつて、乗車記念のお土産として「長野電鉄車輛集」たる13枚組の絵葉書セットを販売していました。

恐らく鉄道マニア向けのものかとは思いますが、古き良き時代のりんご色の電車が1枚1枚に当時の雰囲気と共に写されています。そのため絵葉書を見ると今の長電にはない、地方私鉄特有ののんびりとした雰囲気と、オリンピックが終わり凋落する前の強かさを感じる不思議なものです。

なお以前にTwitterや某大学鉄道サーの機関誌上にて紹介していますが、OSカーのパンフレットが出てきたついでに、この場で改めて紹介させていただきます()

 

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スキャンに失敗したので変になってしまいましたが、絵葉書はこんな入れ物に入った状態で売られていたらしいです。

美しいペン画で描かれたりんご色の2000系のイラストがいいですね。電車の左下には切符類と同様にシリアルナンバーが入っています。

 

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100系 モハ102

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200系 モハ201

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300系 モハ301

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400系 モハ411

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600系 モハ604

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初代1000系 モハ1003

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1500系 モハ1502

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1100系 モハ1101+モハ1102+クハ1151

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2000系B編成 モハ2003+サハ2052+モハ2004

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0系OS2編成 クハ52+モハ2

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2500系仮編成 クハ2551+モハ2611

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ED5000形 ED5001

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ED5100形 ED5101

 

車輛集の名の通り、13枚の絵葉書は在籍車両の形式写真になっており、撮影場所は全て須坂駅構内です。収録されているのは100系、200系、300系、400系、600系、初代1000系、1500系、1100系、2000系、0系OSカー、2500系、ED5000形、ED5100形です。500系がないのはモハニのみの在籍なのと、100系のほぼ同型車であったため収録が見送られたものと思います。

形式だけをざっと挙げても、昭和一桁生まれの自社発注電車に戦後大手私鉄から供出された旧型車、戦後の復興期に登場した自社発注車、ピカイチのロマンスカー、元買収国電の車体更新車、大手に匹敵する通勤電車、黎明期の高性能軽量電車、そしていかつい電気機関車と、当時の長電が結構多彩な顔ぶれであることが窺えます。

収録されている2500系の写真が仮編成*1のものなので、このときはまだ長野線の地下化工事が始まるギリギリ前といったときであったのかと思います。そのため昭和一桁生まれの旧型車が、まだまだ幅を利かせていたのです。また収録されている2000系の写真はB編成ですが、この編成は地下化後の1番列車に使われたり、D編成と共に冷房車第1弾として華々しい活躍をした反面、8500系や1000系ゆけむりの導入によって、真っ先に廃車されてしまいました。

この絵葉書が発行された当時の顔ぶれは、2500系の大量導入によって吊り掛け駆動車の大半が淘汰されたことで、2000系、0系、10系、2500系、1500系、ED5000形に整理されるのは周知の通りです。それでもりんご色の電車は不変だったので、今とは異なった風情があったのかなぁと思います…。

 

今回は以上です。

*1:本格導入前に東急からの借り入れ扱いで試験的に導入した編成