半蔵門線〈青山一丁目↔永田町〉開通記念乗車券

今回の切符これくしょんは、半蔵門線青山一丁目↔永田町〉開通記念乗車券を紹介いたします。

地下鉄半蔵門線は1978年から2003年の25年にかけて少しずつ開通していった路線で、土地の収用や難工事の影響で遅々としたものでした。そのため最初に開業したのは渋谷~青山一丁目間で、なおかつ東急8500系を使用したという、暫定開業感が漂うものでした。この記念乗車券で取り上げられている青山一丁目~永田町間も単線での開業という、やはり暫定感が否めないものでした。

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乗車券の入れ物はシンプルなデザインが特徴です。

ここであれ…?と思われた方は、相当鋭い方でしょうw

右側に書かれた8000系のイラストが、現行のものとは全く違うデザインです。まさかのミステイクでしょうか…?その真相は乗車券の券面や袋のふたを開けて見ると分かります。f:id:mc127_100:20200413202826j:plain

券面は三つ折りになっていて、全て荻窪駅からの乗車券になっています。

また駅構内を俯瞰したイラストや車両のイラストが描かれていますが、ここで8000系のイラストの下にカッコ書きで「計画車両」という文字が書かれているのにお気付きでしょうか?

この当時営団8000系は開発段階で、様々なデザインが検討されていたことが保育社のカラーブックスなどに窺えます。このうち営団6000系7000系を発展させたイラストのデザインは、実際に東急車輛(現、J-TREC)においてモックアップとして試作されたものになります。つまりこの券面に描かれたイラストの8000系は、モックアップとして造られたものを基に描かれたということになります。

路線の開業前に開発中の車両のイメージイラストが使われることはよくありますが、様々な工事が遅々としているとはいえ、既に開業している路線における開発中の車両の車両のイメージイラストが用いられた記念乗車券というのも、なかなか珍しいのではないでしょうか…?

今回は以上です。