月末閉園!加悦SL広場の車両たち(機関車編)

本日は明け番と公休を利用して、京都市内に前泊した上で加悦SL広場を訪問しました。

加悦SL広場は今年度末での閉園が予定されており、これまで大切に保存されている車両も、一部は解体されるかも…という危機感から、とりあえずサッサと閉園する前に行くこととしました。

ここの特徴は、明治から昭和にかけて活躍した鉄道車両が、加悦鉄道のものを中心に30両近く保存されており、さながらトーマスの世界の日本版にしたような感じの展示車両は、どれも素晴らしかったです。

とにかくボリューミーな展示車両のため、記事はいくつかに分けたいと思います。その中でも今回は、園内の機関車について紹介します。

 

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加悦鉄道120形 2号機

関西初の鉄道が京都-大阪間で開業するにあたって導入された120形の123号機をルーツとし、簸上鉄道(現、JR木次線)を経由して加悦鉄道入したものとのことです。

国鉄100周年記念ドラマの大いなる旅路では、加悦駅々舎と共に新橋-横浜間の鉄道開業を模したシーンで、1号機関車として登場しました。当時の映像はYoutubeにアップされているので、興味のある方は一度ご覧になってください。

現在は国の文化財にも指定されており、閉園後も加悦の地で保存されるらしいです。

 

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もちろん側面にはイギリスのスチブソン社製であることを示す銘板が付いていますが、どうやらレプリカであるらしいです…。

 

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加悦鉄道4号機

長野電鉄の前身、河東鐵道が開業時に3号機として入れた機関車で、加悦鉄道が使い物にならない1号機や3号機の代替に、電気機関車の予備になっていたこの機関車を譲り受けたものです。

元々は長野電鉄70周年記念乗車券の券面にプリントされたイラストの様な、空気制動関連のパイプがない原型だったのが、加悦入してからはそれらの部品が追加されたため、物々しい見た目になっています。


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上の写真の反対側にはエアタンクが付いています。


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長野電鉄から来た機関車なので、持ってきたデレマスの鷺沢文香ちゃんのアクリルスタンドと一緒に写真を撮ってみました。

閉園後は、是非長電の沿線に里帰りするか、長電100周年記念の一環で然るべき場所に保存されてほしいものです。

 

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1260形1261号

こちらも簸上鉄道出身の機関車で、国有化に伴って現在の番号になったとのことです。

元々は1260号もいたのですが、戦後に昭和電工富山工場の専用線へ譲渡されたのだそうです。

 

 

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東洋レーヨン(東レ) 103号

元は長門鉄道の機関車として、アメリカのポーター社で製造されたものです。

長門鉄道が山陽電気軌道(現、サンデン交通)に合併された後に東洋レーヨンへ譲渡され、滋賀県専用線で使われていたそうです。その後は宝塚ファミリーランドに保存されていたのが、閉園に伴って加悦に来たものであるため、加悦鉄道とは一切関係のない機関車です。

 

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足回りをよく見ると、第2動輪がフランジレスになっている珍しい形態でした。

 

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C57形189号機/C58形390号機

これらの車両は、加悦鉄道が廃止になる前の1973年と1975年にそれぞれ展示用として国鉄から貸与されたものだそうです。どちらも他の機関車と比べると、あまり整備が行き届いてないように見えます…。C57形に関してはヘッドライトが欠落していますし…。

C57 189は1946年に三菱重工で造られ、新潟を中心に活躍していました。

C58 390は1946年に汽車会社で造られ、北海道で活躍していました。

 

 

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DB201

加悦鉄道が1953年に石炭の高騰を受けて森製作所に発注した機関車で、所謂森ブタと呼ばれるものです。森製作所は蒸機の下回りを流用したディーゼル機関車を多々納入していたのですが、これに関しては全て新造されたものだそうです。

1999年に動体復元されており、時たまイベントで走行することがあったのですが、果たしてこれからもずっと動体で維持されるのでしょうか…?

 

 

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DC351

1967年に青森の南部鉄道という廃止になった私鉄から譲受した機関車で、導入時から故障が頻発していたのだそうです…。ひどい時は入場先の国鉄鷹取工場から加悦に戻る道中で何度も故障しながら帰ったのだとか…。

現役時代にはあったヘッドライトが、現在は何故か埋められてしまっています。

 

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運転台側の妻面には、汽車会社の銘板がいい味を出しています。

 

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近代的な見た目に反して、足回りはロッド式という、面白い機関車です。

 


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TMC100BS

国鉄の保線用モーターカーのTMC100シリーズのうち、前方に除雪装置を取り付けたのが、この形式になります。

1978年に国鉄から譲受し、保線や除雪に活躍したのだそうです。

 


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DB202

加悦鉄道の親会社である日本冶金が川崎工場で使っていた機関車で、1991年に加悦SL広場が譲り受け、展示車両の入換などに使っていたのだそうです。

 


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KD-4

カトーくんの愛称で親しまれる、加藤製作所製のディーゼル機関車です。

1956年に日通の貨車移動機として製造され、様々な専用線を転々としたのちに加悦SL広場入りしたのだそうです。

現在も大井川鐵道井川線にいるDB1形とは同型機になるみたいで、説明板にも同機のことが紹介されています。

 

次回はその他の車両を紹介したいと思います。

 

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