記念乗車券に見る、ある車両の過去と現在

2019年最後の切符これくしょんは、東京メトロ銀座線こと東京地下鉄3号銀座線が開通した日が近いので、これらの記念乗車券を紹介したいと思います。

まずはこちらから。

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銀座線新型車記念乗車券です。

先代の銀座線車両といえば、小さなアルミの車体にオレンジの帯を締め、ダブルホーンとチョッパの音を狭いトンネル内に轟かせながら精一杯駆け抜けていた01系電車です。

1983年に試作車101Fが登場し、各種試験を行った翌年から1次量産車である102F~123Fが製造され、翌々年の1985年には鉄道友の会よりローレル賞を受賞しています。

この乗車券は1次量産車の登場を記念したもので、入れ物には夜の銀座通りに量産車第1号の102Fの写真が使われています。

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乗車券は三つ折りの両面印刷で、3枚組になっています。

表面には渋谷、銀座、浅草の街と102Fの写真、裏面には01系の特徴や図面等が載っています。裏面右側の各部名称を記したイラストは、似たようなものが地下鉄博物館や一部の児童書に見られます。

しかしスマートな見た目に反して、地下鉄だから冷房も暖房もいらんやろと言わんばかりの昔ながらの仕様には時代を感じますね…。

 

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続いては、最後まで残った130Fの引退を記念して発行された「さよなら銀座線01系記念乗車券」です。

登場記念のものは派手な印象ですが、こちらは銀座線のラインカラーであるオレンジを基調としたシンプルなデザインのブックレット式のカバーとなっています。中を開けると、01系の解説や諸元と共に写真が入った6枚組の乗車券が収まっています。乗車券に使われた写真は、現役時代の何気ないものから過去のラッピング車両まで、様々なものが使われています。

こちらの乗車券に発売は一昨年のことなので、読者の皆様の記憶に新しいかと思いますが、登場時の記念乗車券との比較ということで紹介しました。

 

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最後に現在の姿である熊本電鉄01系が大きく描かれた、熊本電鉄の「2018.10.14鉄道の日記念乗車券」を紹介します。

 熊本電鉄では老朽化が著しいアオガエル(またの名を両面ガエル)こと元東急5000系の5000系を置き換えるため、135Fと136Fの2本を東京メトロから譲り受け、様々な改造を施したうえで運用しています。導入時はほぼ原形を保っていたのが、車体を保護するためにくまモンのラッピングフィルムが貼られたりスカートが追加されたりと、地下鉄時代とは一味違った表情を見せています。

乗車券には2代目1000系を模したラッピングの135Fをメインに、オリジナルに近い136Fや元都営三田線6000系22F、アオガエルが紹介されています。

今から35年以上前に東京の地下に颯爽と登場した電車が、現在は悠々自適に熊本の地で活躍している流れを、今回の記事から感じ取っていただければ幸いです。記念乗車券はこうした見方が出来るので、本当におもしろいです。